万博に行きたい!でも『展示テーマ』は知らない大学生
1. 万博に行きたい!でも『展示テーマ』は知らない大学生
2025年4月13日より、大阪・関西万博が夢洲で開幕しました。日々世界中からの来場者で賑わう一方、開催前は万博に対する国民の「関心の低さ」も、各メディアで度々話題に取り上げられていました。そうしたなかで、大学生は万博にどの程度の興味・関心を持っているのでしょうか?また、万博の実際の内容について、どの程度知っているのでしょうか?
アンケートを通じて、大学生の声をお届けします。
◆調査概要
※Z世代に特化したクイックリサーチサービス「サークルアップ」に登録している大学生が対象
※調査期間:2025年5月1日~5月8日
※回答数:200(男性100、女性100)
※Z世代に特化したクイックリサーチサービス「サークルアップ」に登録している大学生が対象
※調査期間:2025年5月1日~5月8日
※回答数:200(男性100、女性100)
(1)「興味がある」「行きたいと思う」が過半数!
まずは、大学生の大阪・関西万博への興味・関心について、以下の二つの質問を行いました。
大阪・関西万博について、現在どれくらい興味がありますか?

開催中の大阪・関西万博に行きたいと思いますか?

※()内は回答数
二つの回答結果から、回答した大学生の約7割が万博に「興味がある」と感じ、「行きたい」と考えているようです。また、調査を行った五月初旬の時点で「既に行った」と回答していた学生は1人でした。
また、「行きたいと思う」「行きたいと思わない」双方の回答理由も聞いてみました。「行きたいと思う」側の多かった回答として、「滅多にない機会」「各国の文化を楽しめる」「最先端の技術に興味がある」「評判がいいから」といった内容が挙げられます。反対に「行きたいと思わない」側の多かった回答としては、「遠い」「興味を引く内容がない」「値段が高い」「報道から不安や不信を感じている」といった意見が多く見られます。

滅多にない国際的なイベントが国内で開かれるということで、大学生の過半数は万博について興味を持ち、行きたいと感じているようです。
大学生は若く流行に敏感で、日頃からSNSなどで積極的に情報収集を行っている世代です。興味があるということはやはり、積極的に調べて内容をよく知っているのではないでしょうか?次の項目では、大学生の万博の内容に対する理解度について見ていきます。
(2)展示テーマを知っている割合は「約1割」
大学生の大阪・関西万博への理解度を知るにあたり、万博の情報を複数項目に分けて聞いてみたところ、項目によって理解度にかなり差があることがわかりました。
大阪・関西万博に関する情報について、
現在知っている・理解している項目を教えてください。(複数回答可)

※()内は回答数
「ロゴマークやマスコットキャラクター」「開催場所」については7割近くが知っていると回答した一方で、「展示テーマ」について知っている学生は11%、「開催目的」「参加する企業・アーティスト」「主催者や関連団体」等は10%未満という結果になりました。今回の万博の展示テーマは『いのち輝く未来社会のデザイン』ですが、メインキャッチフレーズともいえる展示テーマがあまり知られていないことには驚きました。
また、「展示内容」に焦点を当てて詳しく聞いてみたところ、以下の結果が出ました。
大阪・関西万博の展示内容について、
現在知っている・理解している項目を教えてください。(複数回答可)

※()内は回答数
同じパビリオンに関する情報に関しても、海外・国内パビリオンが4~5割の認知度に対して、シグネチャーパビリオンは1割に達しませんでした。興味関心はあるものの、万博の内容に関する認知度にばらつきがある現状。この現状は、大学生自身の興味関心の他にも要因がありそうです。
例えば、現在の万博の広告は「くるぞ、万博。」「想像以上!が、万博だ。」といったシンプルなフレーズを中心としていて、展示テーマや展示内容に言及する広告の数は現在多くありません。国際イベントではありつつも、なかなかオリンピックのようにはイベント内容の想像が付きづらい万博。まずは存在を印象付ける為に、ロゴマークやキャラクターを使ったインパクトのある広告が多いように見受けられますが、そうした広告の現在の方向性が、大学生の万博に対する二面性に影響を与えているのかもしれません。
また、同じ情報でも見る場所によって受け取る印象は大きく変わってきます。最後に、大学生が普段どういったところから情報を得ているのかについて、見ていきます。
(3)SNSと並び、いまだ影響力を持つテレビ
大阪・関西万博をはじめとして、大学生が普段どこから情報を得ているのかを、以下の二つの質問から探りました。
大阪・関西万博に関して、どこで情報を見たことがありますか?(複数回答可)

大阪・関西万博に限らず、
日常生活ではどこで得られる情報を活用・信頼していますか?(複数回答可)

※()内は回答数
二つの質問から、大学生が活用する情報媒体として「テレビ」と「SNS」が突出していることが伺えます。特にテレビに関しては、若い世代のテレビ離れが度々取り上げられつつも、他の媒体に比べて依然として情報伝達手段の強さを発揮しています。
二つの媒体に共通する特徴の一つとして、「よりインパクトのある情報(画像、映像、音声)が頭に入り、記憶に残る」ことが挙げられます。万博に関する情報伝達においては、テレビリポーターや実際の来場者が発信するキャッチーなレポートや体験が、好奇心を刺激する情報として大学生に届いているのではないでしょうか。
10月までの開催ということで、まだまだ話題の尽きない大阪・関西万博。今後、広告や報道などメディアでの取り上げ方にも徐々に変化が見られるかもしれません。展示内容はもちろんですが、そうした広告展開からも目が離せませんね。